EthereumのFusakaによって、ヴィタリック・ブテリンの夢が現実となる

ソース: Criptonoticias
原題: EthereumにおけるFusakaで、Vitalik Buterinの夢が実現
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Fusaka：Ethereumのシャーディングにおける重要なマイルストーン

Ethereum共同創設者のVitalik Buterinは、ネットワークの最新アップデートであるFusakaのリリース直後にコメントを発表しました。これは、5月に実装されたPectraに続き、今年2回目となるEthereumのハードフォークです。

Fusakaは、PeerDAS (ピア間データ可用性サンプリング)として知られるデータ検証システムを導入しました。Vitalikにとって、この仕組みはEthereumが本来目指してきたデータシャーディングモデルを実現するために欠けていた中核コンポーネントを意味し、この目標は2015年から掲げられていました。

シャーディング(sharding)は2015年からEthereumの目標であり、データ可用性サンプリングは2017年からの目標でしたが、今それを成し遂げました。

PeerDASの仕組み

Buterinは、ネットワークが情報を断片（シャード）に分割し、どのノードもすべてのデータをダウンロード・検証しなくてもよいようにすることを目指していたと振り返ります。その構想は、各シャードが完全で利用可能であることを、すべてのノードが完全に検証しなくても保証できる技術があってこそ機能します。その技術こそがPeerDASです。

PeerDASによって、ネットワークは各ノードが全データを閲覧しなくてもブロックに対するコンセンサスが可能となります。各ノードは、ランダムに選ばれた小さな部分だけを取得し、確率的なプロセスで検証します。すべてのサンプルが一致すれば、そのブロックが完全かつアクセス可能であると推定できます。

Buterinによれば、この手法はクライアント側で検証が行われ、バリデータの投票に依存しないため、51%攻撃にも耐性があります。

ネットワークへの利点

この導入は大きな意味を持ちます。シャーディングは、より多くのユーザーが高価なハードウェアなしでノード運用できるようにすることを目指してきましたが、これを実現するには、断片化されたデータの可用性をセキュリティを損なうことなく保証する仕組みが必要でした。

PeerDASはその役割を果たします。各ノードが検証すべき情報量を減らしつつ、ブロックの完全性に対する強固な暗号学的保証を維持します。実際、ノードの帯域幅や処理要件を大幅に削減します。

さらに、セカンドレイヤー（(L2)）ネットワークがメインレイヤー（(L1)）を圧迫することなく、処理能力を拡大できる道を開きます。PeerDASはL1内のデータ可用性を高めるため、L2は今後、データ保存のために外部企業への依存度を下げることができます。

シャーディング完全実現への3つの未解決課題

進展があったとはいえ、ButerinはFusakaにはシャーディングが未完成である3つの側面が残っていると述べています。

1つ目はL2の利用可能な計算能力に関連しています：

現在、L2ネットワークはPeerDASによって各ノードが検証すべきデータ量が減るため、すでに処理能力を高めることができます。これにより、ノードごとの計算能力の2乗に比例して、トランザクション総量が増やせます。

しかし、この恩恵はEthereumのメインレイヤーには及びません。なぜなら、L1は今もなおすべての操作を直接実行する必要があるからです。L1が同等のスケーラビリティを得るには、Ethereum互換の仮想マシンがゼロ知識証明（(ZK)）を生成できることが不可欠だとButerinは述べています。これらの証明は数千の操作を単一の検証可能な証明にまとめ、各ノードが再実行せずとも大規模なトランザクションセットを検証できます。

2つ目の限界は、プロポーザーとブロックビルダー間のボトルネックです：

現行のアーキテクチャでは、ブロックビルダーがすべてのデータにアクセスし、ブロック全体を組み立てた後にプロポーザーが公開します。Buterinは、複数のアクターがパーツを構築する分散型ブロック組み立てが理想的だと述べています。これによって、現在少数の事業者が支配するブロックビルド市場の中央集権リスクを減らせます。

3つ目の課題は、シャーディングされたメンンプールの不在です：

メンンプールは、トランザクションがブロックに取り込まれる前に待機する領域です。Buterinは、メンンプールもシャーディングされることで、ブロック前のトランザクションフローも分割・スケール可能になり、シャーディングのビジョンが完成すると考えています。

今後の展望

これらの制約があるにもかかわらず、ButerinはFusakaの登場をブロックチェーン設計における基本的な一歩と評価しました。今後2年間の優先事項を明確にしています：

PeerDASの仕組みを洗練し、慎重にスケールを拡大し、その安定性を確保し、L2の拡張に活用し、ZK-EVMが成熟したときには、Ethereum L1のガス拡張のためにも内部適用する。

共同創設者は最後に、ほぼ10年にわたりこの目標に取り組んできたEthereumのコア研究者・開発者の継続的な努力を明確に称賛して締めくくりました。