Gate Research：11月の暗号資産取引高は1兆6,000億ドルに減少｜Chainlink現物ETFが今週上場予定

暗号資産市場概況

• BTC（-4.04%｜現価格：87,405 USDT）：長期の横ばい推移後、BTCは上値圏（約91,000ドル）で出来高増加を伴う急落となりました。一本の大陰線が5/10/30時間移動平均線を一気に下抜け、急落局面となり、$86,317まで下落。横ばいから短期弱気トレンドへの転換が明確になりました。重要なのは$88,600〜89,000のレンジを回復できるかどうかで、回復できなければこのゾーンが新たな短期レジスタンスとなります。安値が続落し$86,300を割り込む場合は、さらなる下落余地が広がります。11月28日、BTC ETFは純流出入7,140万ドルを記録し、BlackRockのIBITから1億1,300万ドル流出、FidelityのFBTCには7,750万ドル流入となりました。
• ETH（-4.72%｜現価格：2,871 USDT）：ETHは数日間$3,030付近で推移していましたが、レジスタンス突破に失敗し、徐々に勢いを失いました。その後、密集した移動平均帯付近で急落し、$2,831の安値をつけ、出来高増加を伴う急落局面となりました。注目すべきは$2,900の節目価格と移動平均帯（$2,915〜2,950）で、これらを回復できるかがETHの短期構造再構築の鍵です。$2,830を割り込むと、さらなる下落余地が生じます。11月28日、ETH ETFは7,660万ドルの純流入、BlackRockのETHAには2,830万ドル流入がありました。
• アルトコイン：主要アルトコインはほぼ下落し、市場センチメントは悪化、投資家心理は中立を維持。Fear & Greed Indexは24で、恐怖感が強まっており、リスク回避志向が高まっています。
• マクロ：11月28日、S&P 500は0.54%高の6,849.09、ダウ平均は0.61%高の47,716.42、ナスダックは0.65%高の23,365.69となりました。12月1日3:00（UTC）時点でスポット金価格は1オンス4,240ドル、過去24時間で0.28%上昇しています。

注目トークン

PIPPIN（+50.71%、流通時価総額：1億7,600万ドル）

Gateデータによると、PIPPINは現在$0.167で、過去24時間で約50.71%上昇しています。PIPPINはSolanaエコシステム上のAI Memeトークンで、Yohei Nakajimaによって開発されました。モジュラー型AIエージェントフレームワークを核とし、開発者・クリエイターに柔軟で直感的なツールを提供し、効率的なデジタルアシスタント構築を可能にします。ユーザーはAIの役割定義や目標・制約の設定、ブロックチェーンやSlack、カスタムAPIとのシームレス連携を通じて、自動タスク実行・知的プランニング・マルチツール連携を実現できます。

直近の急騰は資金流入とソーシャルセンチメントの共鳴が主因となっています。価格は事実ベースで上昇し、出来高の増加とともに強い強気構造を示しています。PIPPINのコアドライバーは市場ストーリーであり、Yohei Nakajimaの実験的なオープンソース自律エージェント（AIキャラクター）とSolanaコミュニティのミーム文化の融合により、AI議論とミーム拡散の双方で訴求力を発揮しています。プロジェクトは継続的AIサイクル、コミュニティツール、パブリックIPを重視し、自然発生的な拡散力とユーザー注目・ソーシャルエンゲージメントを急速に蓄積しています。過去24時間の取引高は4,700万ドルに達し、資金・センチメント・市場ストーリーがPIPPINの力強い上昇を後押ししています。

PIEVERSE（+16.38%、流通時価総額：7,296万ドル）

Gateデータによると、PIEVERSEは現在$0.411で、過去24時間で約16.38%上昇しています。PieverseはAIとブロックチェーン技術を統合し、“タイムエコノミー”を基盤としたWeb3決済インフラを構築しています。ブロックチェーンでタイムスタンプ付き請求書や領収書、小切手など時間に関わる取引を記録・検証し、法的に準拠した監査可能な記録へ変換します。

PIEVERSEの上昇は、価格回復・市場ストーリー・エコシステム連携の複合効果が要因です。上場初期のボラティリティと早期利確を経て、強い回復局面に入りました。主な要因はTGE前のx402bローンチによるx402市場ストーリーの恩恵、複数のエコシステム連携によるAI・エージェント・Baseのポジショニング強化です。Flock.ioとの連携によるPurr-Fect AgentキャンペーンやAwe Networkへのネイティブ統合でBaseチェーンのアプリケーションを強化しました。さらにPieverseはMonadのAIインフラ構築を支援し、エコシステム向けネイティブエージェント決済チャネルを提供しています。こうしたポジティブな活用事例とトラフィック流入が市場期待を高め、調整後の資金回帰と上昇モメンタムにつながっています。

HUMA（+13.23%、流通時価総額：4,666万ドル）

Gateデータによると、HUMAは現在$0.027で、過去24時間で約13.23%上昇しています。Huma FinanceはPayFi（ペイファイ）ネットワークで、グローバル決済機関がステーブルコインとブロックチェーン上の流動性を活用し、24時間決済を実現します。革新的なPayFiモデルによる融資をサポートし、ユーザーは従来の担保なしでクレジットを利用可能です。

HUMAの上昇は、エアドロップ期待・セクター成長・市場ストーリーの3要素が原動力です。第2シーズンのエアドロップが正式開始され、ユーザー参加とオンチェーンアクティビティが活性化し、参加者が急増している状況です。PayFi分野の主要プロジェクトとして、HUMAは累計80億ドル超の取引実績があり、確かな基盤があります。セクター需要とコミュニティFOMO（機会損失への不安）が重なり、HUMAはPayFiテーマの資金集積先となり、価格上昇をけん引しています。

アルファインサイト

11月の暗号資産取引高は1.6兆ドル、直近5カ月で最安水準

11月は暗号資産市場全体の活動が大きく冷え込み、業界取引高は6カ月ぶりの低水準となりました。The Blockによると、グローバル現物暗号資産市場の月間総取引高は1.59兆ドルで、10月の2.17兆ドルから26.7%減、7月以来の最低水準です。10月の強いモメンタムの後、市場の熱気は急速に後退し、中央集権型取引所の取引活動も低下、ボラティリティも縮小し、利確と慎重な心理が支配する横ばい局面に入りました。

分散型取引所（DEX）も同様に低迷しています。11月のDEX総取引高は3,977.8億ドルで、10月の5,684.3億ドルから大幅減となり、直近の低水準です。全体として、新たな資金流入や強いテーマ性がない中、暗号資産市場の短期流動性が縮小していることが示されています。

11月の取引高急減は、10月の強い反発を経て暗号資産市場が“モメンタム枯渇”フェーズに入ったことを示しています。持続的なカタリストが不足し、投機資金が撤退、流動性が保守的なレンジに戻りました。現物・DEXともに取引高が同期して減少し、取引活動の低下だけでなく、オンチェーンの自然発生的な行動も弱まっており、ボラティリティ低下やリスク許容度縮小と一致しています。サイクル的には、こうした“取引高枯渇”局面は市場が方向性を選ぶ前の過渡期であり、低ボラティリティと高い不確実性が並存します。政策・マクロ・プロジェクト面で新たなカタリストが現れれば、取引高が回復の先行指標となるでしょう。

TON・Telegramエコシステム、分散型機密計算ネットワーク「Cocoon」正式ローンチ

TONとTelegramエコシステムは、分散型機密計算ネットワーク「Cocoon」を正式ローンチし、重要なマイルストーンを達成しました。Telegram創業者Pavel Durovは自身のチャンネルで、ユーザーからの最初のAIリクエストがCocoonを通じて100%プライバシー保護下で処理されたと発表しました。同時に、GPUプロバイダーがTONトークン報酬の受け取りを開始しています。Durov氏は、Cocoonのコア目標はAmazonやMicrosoftなど従来型AI計算サービスの代替であり、コストとプライバシー保護の課題解決をめざすと述べました。今後数週間でGPU供給を段階的に拡大し、開発者の参加を促進する計画です。

Cocoonのローンチは、「分散型計算＋プライバシー保護＋AI」というTONエコシステムの大きな前進であり、Telegramの技術的市場ストーリーと実用性を強化します。業界ではプライバシー志向のAI需要が急増する一方、中央集権型計算プラットフォームはコスト上昇やデータ漏洩リスクに直面しています。Cocoonは新たな選択肢を提供します。Telegramの月間アクティブユーザー9億人超という巨大な実需基盤は、リアルユースケースの自然な入口となり、TONは「実需＋大規模展開性」を兼ね備えた希少なパブリックチェーンエコシステムです。

Chainlink現物ETFが今週ローンチ見込み、GrayscaleはプライベートトラストをETFへ転換予定

The ETF Store社長Nate Geraci氏がXで、Chainlink（LINK）現物ETFが今週正式ローンチされる可能性を発表しました。同時に、Grayscaleは既存のChainlinkプライベートトラストをETF構造に転換し、機関投資家や適格投資家に流動性と透明性の高い投資チャネルを提供します。これにより、LINKはBTC・ETHに続き、伝統金融商品に組み込まれる主流暗号資産となります。

Chainlink現物ETFは、オラクル分野初の主流金融資産配分枠組みへの組み込みとなり、象徴的な意味を持ちます。ビットコインやイーサリアムと異なり、LINKの本質的価値はオンチェーン・オフチェーン間のデータ連携インフラであり、分散型データサービスへの伝統金融の需要は急速に高まっています。ETFローンチにより、機関がLINKを高ボラティリティトークンではなくインフラ資産として評価する流れが強まります。GrayscaleトラストのETF転換で償還チャネルが開放され、短期的な資金フロー変動はあるものの、長期的には価格発見や市場構造の健全化に寄与します。LINK ETFはWeb3インフラ資産の金融化をさらに加速させ、オラクルが暗号資産エコシステムの基盤として機関投資家からの認知を高めていることを示しています。


参考文献

• Gate, https://www.gate.com/trade/BTC_USDT
• Farside Investors, https://farside.co.uk/btc/
• Gate, https://www.gate.com/trade/ETH_USDT
• Farside Investors, https://farside.co.uk/eth/
• Gate, https://www.gate.com/crypto-market-data
• Investing, https://investing.com/indices/usa-indices
• Investing, https://investing.com/currencies/xau-usd
• CoinGecko, https://www.coingecko.com/categories
• The Block, https://www.theblock.co/post/380831/crypto-exchange-volume-drops-november
• Telegram, https://t.me/durov/462
• X, https://x.com/NateGeraci/status/1995300310227501522?s=20

Gate Researchは、テクニカル分析、市場インサイト、業界リサーチ、トレンド予測、マクロ経済政策分析など、読者に深いコンテンツを提供する総合的なブロックチェーン・暗号資産リサーチプラットフォームです。

免責事項
暗号資産市場への投資は高リスクを伴います。ユーザーは自身で十分なリサーチを行い、資産や商品の性質を十分理解した上で投資判断をしてください。Gateは、これらの判断に起因する損失や損害について一切責任を負いません。